新しい家にすんでいる。(どうやら新宿)
マンションの高層階。
昼間、私は絵をかかにゃ…と思いながら、うとうと寝ている。
部屋の窓はホテルみたいで、足のすねくらいから高い天井ぎりぎりまでガラス張り。
視界が広い。
目下に周りのビルの屋上が一望でき、その間を首都高が灰色の蛇みたくにょろにょろ走っている。交通量は多く、車はみなハイスピードでかっ飛ばしている。
景色の8割は、つきぬけるように真青な冬の晴天。
その中を、縦横無尽に飛び交う、夥しい数の飛行機の群れ…
真っ白に日光を反射するジュラルミンに、各国の国旗がペイントされている胴体をキラリとつやめかせて、右から隊列を組んだのが、左からソロのが何機もと、秋の野の蜻蛉のように飛び回り、色鮮やかな様は運動会のグラウンドにひらめく万国旗さながら。
空のあちこちで、つやつやの小さい飛行機が曲芸飛行みたいに急旋回してはスレスレで飛び交ったり、ぶつかり合って、煙のかわりに血を噴き出しながら落下してゆく。
同時に、真上から次々に色とりどりの落下傘が落ちて来た。
まるで笠の薄いクラゲの群れが、たゆたいながらゆっくり落ちてくるように、日の光に透けた布は、CGの美少女みたいにやわらかな色のグラデーションを描いて、飛行機の殺し合う空中へ舞い降り、絡まり合い、すぼまり、恐怖の悲鳴を上げて次々に加速し、落下していく。
眼下のビルの屋上では、それぞれショーやお芝居、ダンスなどのイベントが行われていた。
あちこちで、友達がフラメンコを踊ったり、漫才をしたり、陶芸教室を開いたりしているのが見える。
そうだ、私も買い物に行かなくては。
招待状を作る準備をしなくては。
戸締まりをして出掛けよう。外は雨だけどしかたない。
路肩に生えている蕗の葉に露が溜まり、れんげ草やクローバーの茂った土からは雨の匂いが立ちのぼっていた。
鍵をかけようとしたら、一つのサッシにクロスした鍵がお互いに邪魔して、ロックできない。
とても大きい鍵、最新式なんだけど閉まらないんじゃ意味ないなあ。
夢を見る仕組み ってすごいな、
この支離滅裂具合。



